【連載 第3回】
本部⇔店舗間の『情報共有』の“理想形”とは?
~SVの役割~

こんにちは、堀井です。
本部⇔店舗間の『情報共有』の“理想形”〜チェーン店舗の売上UPを目指して〜ということで、第1回は「(1)本部からの発信」、第2回は「(2)本部内での共有」についてお送りしました。今回は、「(3)SVの役割」というお話です。

まずはSV=スーパーバイザーとは何か、というところから整理して、本題に進んでいきたいと思います。

チェーンストア本部⇔店舗 情報共有の全体像
チェーンストア本部⇔店舗 情報共有の全体像

SV=スーパーバイザー(supervisor)とは?

「supervisor」を訳すと、「監督/管理/監修を担当する人」です。飲食店や専門店、コンビニ(CVS)などチェーンストア配下で、担当する「店舗」を定期的に訪問し、「本部」の方針や戦略に基づいて店舗運営を監督/指導する役職を指します。

①ミッション

自分が担当する店舗の売上と利益の最大化が最大のミッションです。 担当店舗を訪問して日々の店舗運営を監督/指導することで、店舗ごとのオペレーションレベル向上を目指します。 これが売上UP、ひいてはチェーンストア全体の成長につながります。

②立ち位置

このミッション達成のための「本部」と「店舗」のパイプ役が「SV」の立ち位置です。

  • 本部(本社):事業戦略/商品開発/調達/人事/財務/管理などの中枢的機能
  • 店舗(現場):オペレーションレベルを高めて店舗運営(商売)に専念

「SV」は「本部」の代表者として、現場である「店舗」と向き合う立場となります。

③業務

以上のような立ち位置でミッションを遂行する「SV」ですが、実際に行う業務はチェーンストアの業種/業態や規模によってさまざまです。

例えば、「レギュラーチェーン」や「フランチャイズチェーン」など、形態によっては以下の表のように「本部」と「店舗」の関係性が異なります。したがって、直営店舗の「店長」とフランチャイズ加盟店の「オーナー」では、「SV」の接し方も違ってきます。

レギュラーチェーンとフランチャイズチェーンの違い
レギュラーチェーンとフランチャイズチェーンの違い
※1レギュラーチェーン内にFC店、フランチャイズチェーン内でも直営店が存在する場合もあります。

また、同じ形態のチェーンストアでも、業種/業態や担当エリアの広さなどによって担当店舗数は異なります。

例えば、特定地域に集中出店するドミナント戦略を採り、毎週担当店舗を訪問するフランチャイズのCVSチェーンでは「SV」1人あたり約10店舗を担当します。一方で、各都道府県に数店舗を展開している大型量販店のレギュラーチェーンでは、月1~2回の訪問頻度で1人あたり20店舗以上担当している場合もあるでしょう。取扱っている商品カテゴリごとに「SV」を配して、「エリアマネジャー」や「ストアアドバイザー」と呼ぶチェーンもあります。

SVの役割

①本部からの【通達(案内)】の流れ

本部からの【通達(案内)】の流れ
本部からの【通達(案内)】の流れ
チェーンストアの中枢機能である「本部」では以下のような役割分担がされています。
  • スタッフ部門:新しい商品やサービスの開発・販促施策の立案・システムや制度の整備…など
  • 営業部:「スタッフ部門」の上記各施策を現場である「店舗」で実行し、売上UPにつなげる
また、本部内の会議は以下のような構成で行われます。
  • 本部会議:「スタッフ部門」から「営業部」に実施概要を説明
  • 営業会議:「SV」や「店舗」の業務として落とし込む

この内容が【通達(案内)】として発信され、受け手である「店舗」では店長が中心となって売場で実行/徹底します。

本部からの通達(案内)発信のポイント

②「SV」の役割

各店舗は立地や客層が異なり、よく売れる商品カテゴリも変わります。また、競合状況にも差があります。さらに店長/オーナーのキャリアも、新任 / ベテランとさまざまで、店舗スタッフの力量も異なります。当然、各店舗の問題点や課題が違えば、解決策や対応も一律ではありません。

しかし本部からの【通達(案内)】は、あくまで「全社的な情報」であり、個々の店舗の状況に合わせて発信される訳ではありません。(将来はビッグデータをAI処理して、「個店別通達」という時代がくるかもしれませんが…)

そこで重要なのが、各店舗を担当する「SV」の役割です。
「本部」と「店舗」のパイプ役として、売上と利益の最大化を図るためには、担当店舗にあわせた『個店対応』が一番重要になります。

『個店対応』のポイント

  • 各会議や【通達(案内)】といった本部からの情報を正しく理解
  • 担当店舗の環境や状況にあわせて、きちんと内容や方法論を説明
  • 店舗での実行/徹底度を上げるためのきめ細やかなフォローと確認

この結果/成果として担当店舗のオペレーションレベルUPが実現し、最大のミッションである売上と利益の最大化に繋がります。
発信側である「本部」と受信側の「店舗」のパイプ役であり、お客さまとの接点である「店舗」を担当する「SV」の現場力がチェーンストア成長を推進する一つのエンジンとなります。

今日のまとめ

「SV」は、売上と利益の最大化を図るための「本部」と「店舗」のパイプ役!

「本部」からの指示を「店舗」で確実に実施させるために必要な、各店舗にあわせた『個店対応』のポイントは…

  • 本部からの情報と意図を正しく理解!
  • 担当店舗の環境や状況に合わせた内容や方法を店舗側に伝達!
  • きめ細やかなフォローと確認で実行/徹底度UP!

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