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店舗の業務効率を高める改革に着手

情報の整理/可視化こそが推進のカギ

株式会社ゲオホールディングス様

導入企業プロフィール
企業名:株式会社ゲオホールディングス
設立年:1989年1月
事業内容:
株式会社ゲオをはじめとするグループ会社の経営企画、管理に携わる。
子会社の管理業務なども受託する。
導入概要
稼働時期:2014年12月
利用店舗数:1,400店舗

「ゲオショップ」といえば、CDやDVD、コミックのレンタル、あるいはゲームや書籍などを販売する店舗として知らない人はいないだろう。現在は全国に1,000以上の店舗を構え、その販売網はさらに拡大中だ。

店舗を運営する株式会社ゲオを中核とするゲオグループではゲオショップのほかに、衣類や家具、雑貨などのリユース品を扱う「2nd STREET(セカンドストリート)」、衣類や服飾雑貨専門のリユースショップ「JUMBLESTORE(ジャンブルストア)」も展開し、同社が運営する総店舗数は1,500を超える。こうしたメディアやリユース品を扱う店舗運営を事業の中核に据える同グループでは、M&Aなどにより事業領域を積極的に広げており、現在はオンライン事業やアミューズメント施設の運営なども手掛けるに至る。

そんなゲオグループが、ドリーム・アーツの多店舗運営を支援するクラウドサービス『Shopらん』を導入した。店舗と本部の間でやり取りされる情報を整理し、店舗の業務を効率化するのが目的だ。同グループは、『Shopらん』を導入する前、どんな課題を抱えていたのか。課題解決の手段として、なぜ『Shopらん』を選んだのか。そして、導入後に得られた効果とは…。『Shopらん』導入の経緯と効果を、株式会社ゲオ 店舗運営支援部 ゼネラルマネージャーの越塚隆行氏、同社 店舗運営支援部 店舗運営支援課 マネージャーの谷岡征一氏、同社 店舗運営統轄部 関東甲信越ブロック エリアマネージャー 齋藤卓史氏、同社 ゲオ豊玉店店長の山田貴哉氏に聞いた。

把握できない指示の実施状況
事業拡大を見据え情報管理にメス

全国展開するゲオショップは、CDやDVD、ゲームなどの商材に留まらず、最近はスマートフォンの取り扱いも開始し、事業の幅を広げている。全国に1,000以上ある店舗は、継続的な新規出店により今なお増えている。

そんなゲオショップには、本部からさまざまな指示が届く。新作DVDやCDの入荷状況、リユース品の買い取りキャンペーンのスケジュール、総務や人事部からの業務連絡などだ。店長はこれら内容を確認し、いつまでに何をやるのかを洗い出さなければならない。

しかし、重要度や優先度の異なる指示を振り分けるには手間がかかる。接客業務に軸足を置かなければならない状況下で、こうした作業に時間を割いてしまうと、店舗の売上やサービス品質に影響を与えかねない。 「いつ何をやるのかといったスケジュール管理を以前は店長に任せていたため、本部の意図通りに作業が実施できていないこともあった」(谷岡氏)。

加えて、現場を指導するエリアマネージャーからの指示も飛び交っていた。「1か月あたり約400件ものメールが配信されていた」(谷岡氏)という。本部も同じく約150件の指示を配信しており、店長の作業負荷は増していた。

店舗運営支援部
ゼネラル・マネージャー 越塚 隆行 氏

「店舗運営を中核事業とする当グループにとって、店舗のサービス品質低下は致命傷になりかねない。顧客の満足度向上を至上命題とし、本部も含めた店舗改革に乗り出す必要があった」(越塚氏)。

一方、指示を配信するシステムも問題を抱えていた。本部から店舗への連絡には、自社開発の「店舗連絡指示システム」を用いたが、店舗が指示内容を実施したか確認しにくかったという。例えば、キャンペーンを実施するにあたって商品の陳列を変更するよう指示しても、エリアマネージャーは店舗が実施したどうかを把握できない。把握できるのは、指示を配信した本部の担当者だけだった。そのため、店長に対してメールで実施状況を確認するエリアマネージャーが続出し、店長はメールの処理にも頭を悩ませていた。

いつ誰が、どんな指示を配信したのかを全社で共有することもできなかった。その結果、似たような内容の指示が配信されたり、指示を出す人ごとに指示の粒度が異なったりといった問題も顕在化していた。

「店舗で取り扱う商材が増えるに従い、指示数が膨らんでいた。こうした状況を打開するには、店舗の業務を見直して効率化することが不可欠だ。そのためには、指示内容を全社で共有するのはもとより、店長が指示を効率よく確実に実施できる仕組みが必要である。膨大な情報を一元管理して見やすくするシステム構築は、最優先で取り組むべき事案だった」(越塚氏)。

店舗連絡指示システムを改修して、これら課題を解決する策も検討したが、10年以上使い続けたシステムは老朽化しており、運用負荷も増していたことから、新たな情報配信システムに刷新することにした。

店舗業務を想定したコンセプトや機能を評価
店舗運営支援部 店舗運営支援課
マネージャー 谷岡 征一 氏

店舗連絡指示システムに代わる新システムには、これまでの課題を解決できることが当然求められた。とりわけ「店長が指示内容をいつやるのかがすぐに分かる」「エリアマネージャーが指示の実施状況をリアルタイムに確認できる」の2点を最低限の機能要件として定めた。とはいえ、これら要件を満たすツールを事前に調査していたわけでななく、当初はどんなシステム像が望ましいか決められずにいたという。

そんなとき、情報システム部門から紹介されたのがドリーム・アーツの『Shopらん』だった。当時の経緯について谷岡氏は、「本部のスタッフや店長が情報システム部門に対し、以前から店舗連絡指示システムの使いにくさを訴えていた。そこで情報システム部門は独自に調査を進め、流通業向けのイベント『リテールテックJAPAN』に参加したときに知った『Shopらん』が相応しいのではと提案してきた」という。

もっとも即導入するわけにはいかない。相応しいであろうツールを他にも探し、自社が求める要件を満たしているかを比較検討した。その結果、「否定的な意見が出ることもなく、ほぼ一致で『Shopらん』が選ばれた」(谷岡氏)という。

決め手となったのは、「店舗業務に主眼を置いたツールである点」(谷岡氏)だ。具体的には、「店舗ではどんな働き方をするのか、どんな作業に困るのかを想定した機能を備えている。本部やエリアマネージャーから送られてくる膨大な情報を見やすくする工夫も凝らしている。情報共有やコラボレーションツールは他にもあるが、店舗で利用することを想定した『Shopらん』のコンセプトは、当グループが推進する店舗改革の目的に合致した」(越塚氏)。

クラウド型のサービスとして、自社で手を加えることなく機能拡張できる点なども評価した。

トライアルを活用して徹底検証
約3か月で1,400の直営店に展開

『Shopらん』の導入を決めたのは、2014年9月。年内までにゲオが運営する全直営店で運用を始められるよう準備を進めた。「導入中は大きなトラブルもなく、スムーズにプロジェクトを進められた」(谷岡氏)という。

その理由として谷岡氏は、「トライアルを徹底的に活用した点が大きい」と振り返る。

導入を正式決定する2か月前からトライアルを試用し、『Shopらん』の備える機能がゲオショップなどの実際の業務に適合するか検証していった。

「使いにくい点や不明点を早期に洗い出し、1件ずつ問題を解決できたことがスムーズな導入に結びついた」(谷岡氏)。

ユーザーへの研修も徹底した。本部のスタッフに対して説明会を開催したのはもちろん、全国にある各店舗の店長にも16のエリア別に現地説明会を開いて直接指導した。「使い方を覚えてもらうのが目的だったが、導入経緯や目的を店長にしっかり理解してもらうためにも説明会を開いた」(谷岡氏)という。2014年11月から段階的に導入していき、12月には約1,400のゲオショップ、2nd STREET、JUMBLESTORE(直営店)へ展開した。

優先度の高い指示を一目で確認
作業の実施状況も容易に把握
店舗運営統括部 関東甲信越ブロック
エリアマネージャー 齋藤 卓史 氏

『Shopらん』を導入して間もないが、すでに効果が出ているという。特に評価が高いのが、重要度や優先度の高い指示を把握しやすくする機能だ。例えば、本部の担当者が各店長に対し、月末までに書類を提出するよう指示すると、店長が閲覧する『Shopらん』のトップページには、期限の数日前になると作業内容が自動表示されるようになる。

「店舗連絡指示システムを運用していたときは、配信された指示を全て印刷し、締め切り期日順に並び替えてスケジュールを把握していた。『Shopらん』導入後は、こうした手間が一切なくなった」(山田氏)。

指示の閲覧率は「大幅に改善し、ほとんどの店長が指示を漏らさずチェックするようになった。また、お知らせの回答フォームを使うことで、店舗に回答を求める指示書の回収率が大幅に向上した」(谷岡氏)という。

エリアマネージャーの業務負荷も低減した。エリアマネージャーはこれまで、メールを使って店舗に指示していたが、ゲオでは今後、本部同様にエリアマネージャーも『Shopらん』で指示するよう定めた。これにより、店舗が指示内容を実施したかどうかを『Shopらん』を使って容易に把握できるようになった。「『Shopらん』を使えば、指示の実施状況をリアルタイムに確認できる。未実施の店舗を洗い出せるので、その店舗にのみ作業の実施を促せばよい。これまでは実施済みと未実施の店舗を判別できなかったため、すべての担当店舗にメールや電話で確認していた」(齋藤氏)。店舗へのメール配信数も「1日あたり5~6件に減った。これまでは各店舗に対して、1日あたり10件以上のメールを送信していた」(齋藤氏)

ゲオ豊玉店
店長 山田 貴哉 氏

エリアマネージャーが店舗にどのような指導をしているのかも可視化されるようになった。

これまではメールで指示していたため具体的な指導内容を共有していなかったが、『Shopらん』導入により「優秀なエリアマネージャーが店舗に対し、どんな指示を出しているのかを全社で共有できる。他のエリアマネージャーは、優秀なエリアマネージャーの指導方法や指示の文面を参考にして自身の指導内容を見直せる」(谷岡氏)。

一方、指示を配信する本部担当者の指示ミスも減った。『Shopらん』が備える「雛形」を使って用途別テンプレートを作成し、どのように指示内容をまとめればいいのかを定型化した。指示の目的や作業のポイント、実施期間などを項目別に明記させることで、担当者ごとに指示内容に差異が生じないようにした。

店長が不在の場合、その時間帯の責任者であるアルバイトにも『Shopらん』を閲覧できる権限を与え、作業報告できるようポリシーを見直した。これにより、「店長の間接業務が減り、接客などのサービス向上に多くの時間を割けるようになった」(山田氏)。

店舗・本部間の情報を集約
業務課題の早期発見/解決へ

今後は、ゲオグループが運営する全店舗へ『Shopらん』導入を進めていく考えだ。フランチャイズ店を含めた約1,600店舗への展開を視野に入れる。

「『Shopらん』導入による効果を検証し、徐々に導入店舗数を増やしたい。異なる事業を営む店舗間で情報を共有し、良い施策やアイデアをグループ全体で活かせる組織体制を整えたい」(谷岡氏)。

「今後は、『Shopらん』をグループ全社の情報基盤として活用することを目指す。異なる事業や店舗、部署の情報を集約し、各業務の状況を定量化できれば、そこに潜む新たな課題を浮き彫りにして早期解決に結び付けられる。事業領域を拡大し続ける当グループにとって、『Shopらん』は意思決定を支える経営基盤になり得る。『Shopらん』導入の効果を最大化できるよう、事業の垣根を越えて活用の幅を広げていきたい」(越塚氏)。

ゲオグループでは、『Shopらん』を店舗と本部をつなぐ情報配信ツールとしての利用に留めず、集約した情報を再利用して業務改革に役立てる考えだ。多様化する事業形態に追随する組織体制やワークスタイルを導出するための手段として、『Shopらん』が欠かせなくなっている。

『Shopらん』導入前後の業務体制イメージ
導入のポイント
① 店長が指示内容をいつやるのかがすぐに分かる
② エリアマネージャーが指示の実施状況をリアルタイムに確認できる
③ 店舗業務に主眼を置いた情報共有基盤