情報共有による効果的な商品陳列が売上アップに貢献

株式会社パル様

導入企業プロフィール
企業名:株式会社パル
設立年:1973年
事業内容:
婦人服・紳士服・雑貨などの企画・製造、卸・小売事業を展開する大手ファッション関連企業。10 代/ 20 代向けブランドや高価格帯ブランドなどのアパレル分野を中心に、服飾雑貨・生活雑貨などのビジネスを手がける。2006年に東証一部上場。
導入概要
稼働時期:2014年7月
利用店舗数:228店舗(3COINS 163店、salut! 37店、Lattice 25店、ASOKO 3店)2016年6月時点
3COINSのコミュニケーションツールに「Shopらん」を採用

婦人服・紳士服・雑貨など50以上のブランドで 899店舗(2016年 2月現在)を運営するパルグループ。「常に新しいファッションライフの提案を通して社会に貢献する」という社是の実現に向けて商品・サービスのクオリ ティを高めてきた同社は、その取り組みが幅広い顧客から支持を受けるなど、国内の大手ファッション関連企業の一角を占めるまでに成長した。

そのパルで服飾雑貨・生活雑貨を扱う「3COINS(スリーコインズ)」「salut!(サリュ)」「Lattice(ラティス)」「ASOKO(アソコ)」の 4ブランドを展開する第4事業部では、本部と店舗、および店舗間のコミュニケーションツールとしてドリーム・アーツの『Shopらん』を導入した。

導入に至るまでの課題と経緯、導入後の効果について、業務改革推進室室長、3COINSブランド長 澤井克之氏、3COINSスーパーバイザー 角屋悠太氏に話を聞いた。

3COINS ブランド長
澤井 克之 氏
3COINS スーパーバイザー
角屋 悠太 氏
機能面に多くの課題を抱えた情報発信型ポータルの見直しが急務

チェーンストアを展開する小売業では、本部から店舗への連絡、店舗から本部への報告業務が日々、数多く発生する。もちろんパルも例外ではなく、本部から店舗への情報伝達手段として独自のポータルが利用されてきた。しかしポータルの構築から10年以上が経過し、さまざまな課題が生じていたという。

特に大きな課題を抱えていたのが、雑貨を扱う「3COINS」などの3ブランドを展開する第4事業部だった。
「当社には50以上のブランドがありますが、アパレルブランドは接客重視の業態です。業務マニュアルはあるものの、千差万別のお客様に柔軟に接客することが最も重要なポイントです。一方、3COINS などの雑貨ブランドはアパレルと異なり、とくに接客することなく、お客様が自発的に自由に商品を選ばれるセルフサービスの業態です。セルフ業態の場合、お客様が目的とする商品が的確な場所にあり、その場所を示すPOPなどを用意して店員に聞かなくても分かるような状況を用意する必要があります。そのため、本部は商品の入れ替えなどの指示を的確に発信し、店舗はその指示通りに実践しなければなりません。しかし、これまで使っていたポータルは情報発信型、つまり情報の流れが本部から店舗への一方通行でした。本部が情報をポータルにアップするわけですが、その情報が店舗にきちんと伝達されたかどうかが分かりません。全員が見ているはずの情報を見ていない店舗があり、その店舗だけ取り組みが遅れ気味になるという問題がしばしば発生していました」(澤井氏)

ポータルには機能面の課題もあった。情報発信場所である「お知らせ」は時間を指定した公開ができず、一覧には情報がたまっていく一方。また情報の新着を知らせるアラームがないため、緊急の連絡は一般向けのソーシャルネットワークサービス(SNS)を使わざるを得なかった。

「ポータルは本部から発信されたいろいろな情報が時系列に並んでいくという仕組みでした。情報が重要なのか、見ておけばよいという程度なのかという優先順位を指定する機能がないため、タイトルの付け方で工夫していましたが、効果的なアクションにつなげることは困難でした。本部が指示した作業を店舗が行ったかどうかは、結局、スーパーバイザーが電話で確認する必要がありました。またユーザー権限がなく誰でもアップできるので、必要な書類を見つけるのに時間がかかったり、容量制限により画像を使った情報発信に限界があったりするなど、使い勝手やスピード面で不満がありました」(角屋氏)

1カ月の試験運用を経て事業部全店舗に導入へ

このような情報伝達の課題を解決することは、パル第4事業部にとって、ここ数年の懸案事項だった。そうした現場の声を受けて動いたのが、業務改革推進室だ。

当時パルでは基幹系業務システムを含む大規模な全社システムのリプレースを進めており、その中で本部と店舗のコミュニケーション改善は大きなテーマの1つであった。GoogleAppsなど他のソリューションも含めて検討をする中で『Shopらん』を知り、情報を発信する本部側が事前にカテゴリーに仕分けして情報をアップできるという仕掛けが、店舗にとってわかりやすいと感じたという。

「当社では現在、基幹系業務システムを含む大規模な全社システムのリプレースを進めていますが、そのなかで本部と店舗のコミュニケーションを改善することは一つの大きなテーマでした。Google Apps など他のソリューションも含めて検討していたところ、『Shopらん』の存在を知りました。『Shopらん』は情報を発信する本部側が事前にカテゴリーに 仕分けして情報をアップするという仕掛けが実装されており、そのあたりが店舗にとって使いやすいと感じました」 (業務改革推進室長)

業務改革推進室は『Shopらん』を第4事業部に紹介。第4事業部では、操作性や機能を吟味したうえで導入を決断したという。こうして2014年7月に『Shopらん』の利用を開始した。

「試験してから導入を決めるというよりも、導入を決めてから試験したというのが正直なところです。最初に従来のポータルにあった山のような情報をそのまま 移行するのではなく、要・不要を整理するところから始めました。しかし現場は日常の業務と並行しながらの移行作業となるため、一度にやりきることはできません。そこで実運用をしていくなかで、使い方を適宜変えていくという方針で正式に導入しました」(業務改革推進室長)

1カ月後の2014年8月には3COINS(133 店舗)に『Shopらん』を導入。さらに10月にはsalut!(26 店舗)、2015年3月にはLattice(22 店舗)でも本格運用を開始した。

成功事例を他店舗にリアルタイムに共有!
売上アップ、顧客満足度向上につながる!
コミュニティ機能(タイムライン)の利用イメージ

自動集計機能とスマホ対応がスーパーバイザー業務を改善

パル 第4事業部では現在、『Shopらん』のお知らせ(通達)機能を中心に利用している。商品部や販促部などの部署から店舗への情報発信のほか、スーパーバイザーが担当店舗との連絡手段として活用。緊急性の高い情報にはアラームをつけ、回答が必要な場合には「回答フォーム」機能が使われている。

『Shop らん』を導入したことによって特に大きな恩恵を受けたのが、スーパーバイザーだ。

「スーパーバイザーは月初に前月の店舗実績などの書類を集め、それをExcelのワークシートで集計して本部に送信するという業務があります。これまでは、まず各店舗から複数の書類をメールで集めてからExcelで編集するという非常に手間のかかる作業でした。それが今では、回答フォームから実績を報告してもらうだけで自動的に集計できるようになっています。CSV形式のファイルでダウンロードすればそのまま本部に送信できるので、業務効率が大幅に向上しました」(角屋氏)

もう一つ、スーパーバイザーを喜ばせたのが『Shopらん』のコミュニティ機能だ。

「コミュニティ機能を使えば、スーパーバイザー担当店舗のグループを作成し、タイムラインで情報を共有することが可能です。画像や写真を使いながらリアルタイムに指導できるのは非常に便利です。従来は一般的なSNSを使って担当店舗の店長と情報のやりとりをしていたため、社内情報を誤って流出させる危険性があるなどセキュリティの不安もありましたが、それもすべて解消されました」(角屋氏)

さらに業務生産性を著しく向上させたのが、スマートフォンへの対応だ。

「スーパーバイザーは店舗間の移動が多いのですが、これまでは移動中に連絡事項を確認できず、店舗や本部に到着してからパソコンをチェックする必要がありました。ポータルは社内ネットワークでの利用に限定されていたため、自宅の私有パソコンからアクセスすることもできないという不便さがありました。それがいまは、スマートフォンを利用して社内の情報をセキュリティの心配もなく、安全に確認することが可能です。これによって仕事の生産性がアップしただけでなく、残業時間が大幅に減りました。個人的には、この効果に一番感動しました」(角屋氏)

情報共有の積み重ねが売上アップにつながる
3COINS本部セレクター
面川 俊春 氏

『Shopらん』の導入によって恩恵を受けたのは、店舗も同様だ。導入当時、角屋氏が担当する3COINS ルミネエスト新宿店の店長であった 面川俊春氏(現3COINS本部セレクター)は、情報伝達がよりスムーズになったという。

「『Shopらん』では最新の情報がトップ画面に表示されるので、いま何をやらなければいけないのかがすぐに分かるようになりました。以前利用していたポータルでは情報がいろいろな場所にあって探すのにも苦労しましたが、『Shopらん』ではカテゴリーにまとめてアップされており、とても見やすいと思います」

店舗では連絡事項をアルバイトやパートも含めたスタッフに周知させるために印刷してバックヤードなどに掲示することもある。3COINS plus ルミネ池袋店 店長 大田道代氏は、そうした作業負荷も大幅に軽減されたと話す。

「ポータルでは添付資料を開くのにも時間がかかっていましたが、『Shopらん』では添付ファイルがすでに見える状態になっていて、印刷も一括でできるようになりました」

3COINS plus ルミネ池袋店 店長
大田 道代 氏

大田氏はさらに、タイムラインによるコミュニティ機能が役立つという。

「店舗ではスーパーバイザー担当グループ内で情報交換をしています。例えば、ある店舗が商品陳列を工夫したことで売上がアップしたとか、それを参考にしたら効果があったとか、そういった情報を写真付きでやりとりします。3COINSには店長歴が長い人、短い人がいますが、店長経験が短くてもタイムラインで情報共有することで、すぐに効果が得られると思っています。実は以前もSNSで情報を共有していたのですが、仕事と私的の情報が混在することが大きなストレスでした。『Shopらん』によってそれも解消することができました」

また店舗では、出勤できるスタッフが不足した場合に店舗間で融通し合う「ヘルプ申請」にも『Shopらん』を利用しているとのことだ。

「『Shop らん』を利用したからといって、例えばすぐに毎日の売上が10万円上がるという直接的な効果が得られるわけではありません。けれども、情報共有によって店舗内の施策にタイムリーに対応することで、少しずつの積み重ねではありますが、数字に表れてきているという実感はあります」(面川氏)

すべての店舗にベストプラクティスを展開

導入のしやすさに加え完成度の高さを評価

このようにスーパーバイザーや店舗などの現場で効果が上がっている『Shopらん』だが、第4事業部に紹介した業務改革推進室は『Shopらん』の導入のしやすさも高く評価する。

「システムを導入する際、カスタマイズに時間やコストがかかって大変な目にあうことがあります。ところが『Shop らん』はパラメータ設定だけで迅速に導入できる仕掛けとなっています。この完成度の高さには驚かされました。もう一つ、店舗でとくに操作教育を行う必要が ないという触れ込みでしたが、本当に特別な教育なしで感覚的に導入できたのにも感心しました」(業務改革推進室長)

『Shopらん』が今回導入されたのは第4事業部に限定されているが、他事業部への導入をこれから時間をかけて検討していくという。

「当社では各事業部がそれぞれ収支管理をしています。第4事業部では『Shopらん』のコストを考慮しても導入効果があると判断しましたが、50以上のブランドのなかには事業の収益構造の中で吸収できないところもあります。もちろん、効果が期待できそうな事業部もありますから、ゆくゆくは第4事業部のほうから『これだけコミュニケーションロスが減った』『こんな効果が出ている』という報告を社内にプレゼンテーションしてもらいたいと思っています。それによって導入するかどうかは、各事業部に委ねるつもりです」 (業務改革推進室長)

すでに運用を開始している第4事業部では、活用し切れていない『Shopらん』の豊富な機能を検証し、さらなるコミュニケーション強化に役立てたい意向である。

導入のポイント
① 片方向のポータルに代わる情報伝達ツールとして、本部からの連絡/店舗からの報告に活用
② 自動集計機能とスマホ対応がスーパーバイザー業務の生産性を大幅に改善
③ コミュニティ機能により成功事例を店舗で共有