変わりゆく空港、ショッピングモール化の先

Hello there!
“Shopらんチーム認定”海外調査員のMayukoです。

今回の「#海外のお店レポ」では「空港における小売ビジネス」について考えてみます。

みなさんはどのくらいの頻度で空港を訪れますか?
私はあまり機会がなく、羽田空港に行くたび変化にびっくりします…

テクノロジーの進化で次々と自動化が進んだり、新しいサービスが出てきたり、空港も目まぐるしく変化しています。そうした空港の変化について目を引く記事があったので今回のテーマにしました。

空港とは思えない異空間…チャンギ国際空港の新施設

今年の4月17日、シンガポールのチャンギ国際空港で新たな施設がオープンしました。
チャンギ国際空港といえば、SKYTRAX社の世界空港ランキングで7年連続トップに選ばれている注目の空港です。

そして今回新たにオープンしたのが、ショッピングや食事、エンタテインメントなどを楽しめる巨大な複合施設「JEWEL」。外観はまさに巨大な宝石のよう……「JEWEL」という命名にも納得です。

この巨大複合施設のなかで特に注目を集めているのは、緑豊かな屋内庭園にある世界最大級の滝です。なんと約40mの高さから巨大な筒を形作りながら水が流れ落ちるのだとか。
約2万2,000㎡にわたるこの庭園は、「SHISEIDO FOREST VALLEY」といって資生堂のトラベルリテール事業がオープンしたもの。900本の木々と6万本の低木が植えられているそうです。都市と自然の融合空間…そんな場所がもっと増えて欲しいなぁ……

Waterfall at JEWEL Changi Airport

出典
The New York Times: At Singapore’s Changi Airport, a New Jewel Shines

さらに施設内には280の小売店や飲食店、ホテル、スーパー、シネコンなどが入っており、アーリーチェックインもできるので、安心してフライトまでの待ち時間を楽しく過ごせるようになっています。
巨大庭園に映画館と、空港とは思えない充実した空間。「JEWEL」を利用するためのセキュリティーチェックはないので地元の人々も訪れやすく、1日飽きずに過ごせそうです。

アムステルダムのスキポール空港の美術館や、バンクーバー国際空港の水族館など、従来の航空機能以上の施設・設備を備えた空港は珍しくなくなってきていますが、そのなかでもチャンギ国際空港はその一歩先を進んでいるようです。

変化していく空港のあり方

日本でも今年のゴールデンウィークは海外旅行者が過去最多だったそうですが、近年は旅行客が世界的に増えています。便利なだけでなく楽しめる空港、利用者としてはフライトまでの待ち時間を退屈せずに過ごせるのはありがたいですよね。

「JEWEL」にはユニクロやオニツカタイガー、東急ハンズなど、日本のブランドやお店もいくつか入っています。無印良品もCafé&Meal MUJI 併設ストアを出店しているようで、お店を紹介する記事を見つけました。
ターゲットは周辺エリアからハブ空港を訪れる人々。空港は常に多くの人々が行き来する絶好の出店場所と言えますが、旅行中の空港利用客にとっても、シンプルで幅広いカテゴリの商品を扱うお店があるといざというときに助かりますね。

MUJI Store at JEWEL Changi Airport

出典
Business Insider Singapore: After opening first double-storey store and 88-seater cafe at Jewel, Muji exec says it will be renovating Singapore homes in the ‘near future’

ところで、空港内の施設や機能を拡充するこのトレンドの背景にはなにがあったのでしょう。

アメリカの空港では、増加するテロや911の影響でセキュリティが一層厳しくなり、セキュリティチェックを待つ長蛇の列ができたり、空港に早く到着した搭乗客が時間を持て余す姿が見られるようになっていたそうです。
空港側はショッピングやエンタテインメント施設を充実させることで、(時間もお金もある)旅行客が過ごしやすい空間に変えていったんですね。今国際空港では、収益の約40%をこうした商業活動が占めているようです。
ちなみに新幹線の利用客も、乗車前には気分が高まって普段より値段の高い弁当を買ったりする傾向があるとか。旅行のワクワク感で気持ちが大きくなったところで財布の紐が緩むのは私もすごくわかります笑。

旅行者というある程度裕福な見込み客が多い場所に惹かれ、空港に出店する高級ブランドも増えています。免税は確実に空港でショッピングする際の大きな魅力です。

しかし、オンラインショッピングにはない「リアル店舗ならでは」の魅力を提供するという小売業界の共通課題はここでも変わりません。むしろ、単純な買い物以上に充実した体験を求める傾向が強まっている今、モノよりもコト、特別な体験を求めて旅行する人々が行き来する場所ではなおさら、リアル店舗の魅力を発揮できることが重要になるのかもしれないですね。

渡航の「ついで」でしかなかった空港でのショッピング。今は空港を訪れる目的自体が渡航だけではなくなってきています。
最近は、搭乗ゲートまで利用客の購入品を届けるサービスを提供するスタートアップ企業も出てきているとか。年々進化を続ける空港という場には、まだまだ新たなビジネスの可能性が眠っているみたいですね。

参考
Airline Geeks: Shop or Fly: Airports Find New Ways to Sell In-Terminal Shops To Non-Travelers
The Chicago Tribune: FAO Schwarz, Eddie Bauer, sushi: Midway Airport is becoming more like a mall. And there’s more to come.
Simple Flying: How Airports Actually Make Money
SKYRAX: The World’s Top 10 Airports of 2019
JEWEL Changi Airport: SHISEIDO FOREST VALLEY

では、おもしろそうな情報があったらまたお届けします。
See you around:)