新たな流行?ブランドが環境保全に取り組む理由

Hello there!
“Shopらんチーム認定”海外調査員のMayukoです。

#海外のお店レポ」、今回のテーマは「ブランドと環境保全」です。

世界には「環境」に関する記念日が多くありますが、みなさんはどのくらいご存じでしょうか?

たとえば、6月5日は世界環境デー(World Environment Day)です。
国際連合によって1972年に制定された記念日で、毎年環境月間には国際連合環境計画(UNEP)が設定したその年のテーマに沿って、世界各地でさまざまな活動がおこなわれます。
今年は中国がホスト国となり、「大気汚染」をテーマにイベントを開催。日本でも環境省を中心に環境保全に関する行事がおこなわれているそうです。

さらに8日の「世界海洋デー」(World Oceans Day)や17日の「砂漠化および干ばつと闘う世界デー」(World Day to Combat Desertification and Drought)など、6月だけでも8種類の環境記念日があるようです。(Wikipedia調べ)

というわけで、今回は小売企業による環境保全の取り組みについての記事をご紹介します。

環境に優しいオンラインショッピング

このシリーズを書くために海外小売サービスの情報収集を始めてから、ブランドによる環境保全の取り組みに関する記事をたくさん見てきました。どのタイミングで取りあげようか迷っていたのですが、世界環境デーを目前にした先日、とある記事が目にとまりました。

タイトルは「Loop’s ‘waste-free’ website launches with Kroger, Walgreens」。
「廃棄物を出さないウェブサイト」って…いったいどういうことなのか気になりますよね?

Loopは、アメリカの大手スーパーKrogerや大手薬局Walgreensとパートナーを組み、リサイクル会社TerraCycleが立ちあげた「循環型ショッピングプラットフォーム」です。
オンラインで注文された日用消耗品や食品を、再利用可能な容器に詰め、再利用可能なバッグに入れて配達。使い切って空になった容器はバッグごと無料回収され、洗浄・リフィルされた容器が入ったバッグがまた配達される、という仕組みのサービスです。

確かにこれなら廃棄物を出さずオンラインショッピングを利用できます。
とは言ってもまだ試運転の段階で、これからサービスの持続可能性と顧客の反応を見極めていくのだそうです。

Waste-free shopping: Loop

出典
Retail Dive: Loop’s ‘waste-free’ website launches with Kroger, Walgreens

便利で安いから、と私も日用消耗品の購入で頻繁にオンラインショッピングを利用していますが、毎回ダンボールやビニールのゴミが出てしまうのが難点。分別してリサイクルできるとはいえ、確実にゴミを増やしているなぁと思います。実は分別してもリサイクルできないプラスチックがかなり多いそうですし……

そこで徹底して廃棄物を出さない方法を考え、実行に移したのがLoopというわけです。配達用の容器やバッグは再利用目的でデザインされた高耐久性で洗浄/修理可能な特製品。楽にショッピングができてゴミも減るという、お客さんにも環境にも優しいこのサービス、ぜひ成功して欲しいですね。

環境保全とブランディング

環境保全の取り組みは、世界各地で国・組織・個人単位でさまざまな形でおこなわれています。
4月22日の地球の日(Earth Day)に、今年はThe North Faceが北米の計113店舗とグローバル本部を休業にしたことも話題になりました。

インドがホスト国を務めた昨年の世界環境デーは「プラスチック汚染をなくそう」がテーマだったそうですが、プラスチックの撤廃に取り組む企業を取りあげた記事もありました。

no virgin plastic apparel

出典
Everlane

アメリカに、EverlaneというDTCブランドがあります。「透明性」を重視し、材料費・人件費・輸送費を含めた商品原価や工場の様子を公開しています。2021年までにサプライチェーン・店舗・オフィスから未使用プラスチックを全廃するという目標を掲げ、人にも環境にも優しい工場での化学薬品や未使用プラスチックを使わない商品の生産に注力しているとか。
とはいえ、オフィスに置いているスナック菓子の包装や、イタリアの工場で生産される靴底、コートのジッパーやボタンなど、プラスチックはあらゆるところに使われていて、この目標を達成する道のりはかなり険しいようです……

最近、脱プラスチックへの動きは活発化しています。アメリカではいくつかの州が使い捨てプラスチックの使用を禁止する条例を可決しましたし、H&MやL’Oréalをはじめ約250の世界の大手企業やブランドが、プラスチックを削減しリサイクル可能な素材を使用するという誓約に署名しました。フットウェアのDTCブランドAllbirdsは、自ら自社に炭素税を課しているそうです。

しかし、いくら企業がこうした取り組みを宣言しても、実際になにがおこなわれているか、消費者には実態は見えづらいもの。どこ/だれからどんな材料を調達し、どういった工程でつくられた商品が、どうやって運ばれて消費者の元に届くのか、知りたいと思う人は少なくないでしょう。

Everlaneのように生産過程の情報が開示されていれば、消費者の安心感や納得感につながります。ほかにも、カシミヤ素材のサステナブルなサプライチェーンを実現したアメリカのアパレルブランドNaadamのお店では、素材の生産地や生産者の様子をVRで体験できるそうです。

Naadam Cashmere VR

出典
Naadam

もちろん日本にも、リサイクル素材を使った衣類をつくっているブランドや、環境保全に熱心に取り組む企業・団体はあります。CSR活動に結びつけたキャンペーンも時々目にしますよね。それを理由に商品を選ぶ人も少なくないと思います。

特にアメリカでは若い層を中心として、企業やブランドが掲げる理念や社会貢献活動が購買行動に大きく影響を与える傾向があるそうです。環境や貧困、セクシャル・マイノリティや人工妊娠中絶など、日頃どういった社会問題を気にかけているかは人によって違いますが、企業やブランドがどのような問題の改善にどうやって貢献しているかは消費者に向けた強いメッセージとなります。

モノがあふれかえった今の時代、「コト」の内容や充実度で差別化を図るお店は増えてきています。その「コト」が、お客さん側の体験でなく、意識や心に触れる理念や活動といった形になっている例なのかもしれません。

参考
Loop US
Retail Dive: The North Face to close 113 stores for Earth Day
Fast Company: Fashion’s plastic problem is bigger than you can imagine—but this brand is finding new way s to solve it
Fast Company: Exclusive: Allbirds imposed a carbon tax on itself–and your brand should, too
NRF Stores: Spinning a yarn

では、おもしろそうな情報があったらまたお届けしますね。
See you around:)