こんにちは。Shopらんチームの上野谷です。ECとは「electronic commerce」の略で、日本語では電子商取引と訳します。インターネット上で商品やサービスを売買することを指します。 アパレル業界においても、EC化は珍しいものではなくなってきました。この記事では、アパレル業界におけるEC化の現状と課題をまとめています。EC化を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
まず、アパレル業界におけるECの市場規模がどのようになっているのか見ていきましょう。経済産業省が公開している平成30年度のデータによると、衣類・服装雑貨等のEC市場規模は2018年で17,728億円、前年度比で7.74%もの伸び率です。さらに、EC化率では12.96%、物販系全分野のEC化率は6.22%ですから、非常にEC化が進みつつあることが分かります。
このようにEC化が進むアパレル業界ですが、その背景では自社ECを採用しているユニクロや、モール型のZOZOのように豊富な資金力を活かして顧客の囲い込みに成功したブランドと、そうではないブランドの二極化が進んでいます。
では、アパレル業界においてEC化が進んでいる要因とは一体何でしょうか。
EC化が進んだ理由としてまず挙げられるのは、ECサイト運営を支援するツールやソリューションの普及です。これらの導入は、在庫の一元管理や、検品、流通加工分野での物流業務の効率化など、さまざまな面でECサイト運営をサポートします。このようなサービスの導入により、業務効率の改善や、コストの削減が見込まれることから、ECサイト運用に乗り出すブランドやサービスが増えました。
EC事業を進めていく上で欠かせないのが、実店舗の顧客データとECサイトの会員データの統合です。実店舗と会員情報を統合することによって、それぞれ単体で運用するよりもはるかに精度の高い顧客分析が可能になり、顧客一人ひとりのニーズに沿った情報を発信できるようになります。それにより、ECサイトへのリピーターの増加にもつなげることができるのです。
2010年代より普及したスマートフォンの存在も、ECサイトが普及する大きな原因となりました。それまでは、パソコンや、フューチャーフォンからしかアクセスできなかったECサイトが、スマートフォンの普及にともなってより身近になりました。事実として、インターネット経由での消費活動はアパレル業界のみならず、多くの業界で活発化しています。また、スマートフォンを通して商品を購入する顧客は、実店舗など他の手段で購入する場合よりも定着率と反応率が高いとされています。
ここまでアパレル業界におけるEC化の流れと利点について解説してきました。この項では、今後どのような点が課題となっていくのかを解説します。
まず、課題となるのが実店舗と異なり、ECサイトでは試着ができない点です。実際に着用できないため、サイズ感を確かめてから購入することができません。また、色味や素材の質感も写真だけでは伝わりにくいでしょう。 対策としては、着用後であってもサイズや好みが合わなかったら無料で返品できるサービスや、サイズをより細分化して、わかりやすく表示するなどサービスをそれぞれのサイトが進めています。
ECサイトで圧倒的に成長しているのはモール型のECサイトです。モール型とはショッピングモールのように、一つのECサイトに多くの店舗が出店する業態を指します。具体的には先ほど紹介した「ZOZO」や、「Yahooショッピング」、「楽天市場」、「amazon」などがこれにあたります。
自社でECサイトを運営して成功しているブランドではユニクロが有名ですが、自社でECサイトを構築するには、開発費用や時間、さらには維持のために継続的なコストが必要です。そのため、モール型ECサイトに出店して、そこから自社のオリジナリティを出していくというのがよくとられる方法です。 具体的には、インフルエンサーの起用、海外を対象としたマーケティング展開、デジタル広告の活用、SEO最適化などで自社ブランドをアピールしていきます。モール型ECサイトでは、出店のハードルが低く利便性が高い分、競争相手も多くなるので、より自社独自の戦略が必要です。
実店舗とECサイトの管理を一元化せずに、ECサイトを展開した場合、仕入れや管理が複数にまたがることで適切な在庫管理ができず、在庫のロスが発生する可能性があります。業務効率を向上させるためにも、実店舗とECサイトの間で在庫を一元化できるサービスを使うことがおすすめです。
まとめ
今回は、アパレル業界におけるEC化について、その現状と課題をまとめました。アパレル業界ではEC化が急速に進んでいます。その背景にはツールやソリューションの発達、スマートフォンの普及があります。今後の課題としては実店舗とのサービスの差異や、自社サイトでの集客方法、在庫管理の一元化などがあるでしょう。EC化するには、それぞれの課題に対して確実な施策を導入することが大切です。