こんにちは、Shopらんチームの三田です。
先日、マーケティングイベント「MiXER The Marketing Conference」に参加してきました。
マーケティングに関するさまざまな講演がおこなわれていたなかで私が聴講したセッションでは、飲食店におけるデータ活用について「丸亀製麺」の株式会社トリドールジャパンの事例とともに紹介していました。
この記事ではその内容を簡単にレポートします。
人気のお店には、必ず「常連さん」の存在があります。
トレタの「常連化曲線」によると、初回来店客の10.6%、2回目来店客の32.3%、3回目来店客の48.%がその後再び来店するといったように、回数を重ねるごとにリピート率が上がっていきます。
ここで読み取れるのは、お客さまの「常連化」には、2回目来店時の対応が重要だということ。「前にも来たのを覚えてくれている」と感じられることが、お客さまにとっては再来店の理由になります。こうして獲得した常連客を積み重ね、さらに新規客を増やしていくことで「繁盛店」が生まれるのだそうです。
とはいえ、2回目の来店でお客さまを認識するのは、特にアルバイトスタッフなどでは難しいかもしれません。そこで来店客のデータ取得が必要になります。来客店データといってもさまざまな内容と使い道がありますが、主に下記のような活用例が挙げられていました。
トリドールでは、顧客体験に関するデータの不足という課題を抱えていたそうです。そこで始めたのが、アプリの活用によるデータ収集。
レシートに印刷されたQRコードの読み込みでクーポンを取得できる、来店促進を目的としたアプリを提供し、お客さまのアクションによってデータを取得できる仕組みを作りました。
これにより顧客の見える化が実現でき、下図のようなサイクルができたそうです。
クーポンのお得感や、気分にあわせて食べたいものを手元で選べる手軽感で、同じお店をリピートする…確かに、私もよく行くお店のアプリはまさに上記のような使い方をしています。お店にとっては貴重なデータ収集の機会になっているのですね。
しかし、ただデータを取ればいいというわけではありません。取得したデータを店舗改善につなげる際のポイントとして挙げられていたのが下記の3点です。
これらのポイントは、データの使い方そのものよりも、活用を進めるにあたって意識すべき点。最後にこれからデータ活用を始める方に向けて、「目的ありきで施策をつくり、小さい成功を積み重ねていくこと」というアドバイスもされていました。
デジタルトランスフォーメーションや働き方改革においても、とりあえずツールを入れてみたはいいけれど効果がイマイチ…という失敗談をよく耳にします。このアドバイスは、飲食店に限らずさまざまな業種・業態のデジタル化施策に当てはまると思います。
データもシステムも、あくまでも目標達成のための「ツール」だということを忘れずにいることが、デジタル化成功の最大のポイントになるのではないでしょうか。
■タイトル
データがフードビジネスとつながるとき “The Data of Food Service”
業界シェアNo.1トレタ×V字回復の丸亀製麺に聞く“外食産業のデータファースト経営”
■登壇者
株式会社トリドールジャパン マーケティング部デジタルマーケティング課 コミュニケーション・ディレクター 神谷 亮介氏
株式会社トレタ データ事業開発プロジェクト プロジェクトリーダー 萩原 静厳氏
株式会社コメ兵 執行役員マーケティング統括部部長 藤原 義昭氏(モデレーター)