ピアプレッシャーとは?メリットとデメリットを知って適切に活用しよう

こんにちは。Shopらんチームの上野谷です。ピアプレッシャーという言葉をご存じでしょうか。 組織における環境や生産性などを左右する要素のひとつとして、近年とくに注目されている用語です。この記事では、ビジネスの効率性向上と密接に関係するピアプレッシャーの基礎知識やメリット・デメリットについて解説します。

ピアプレッシャーとは

ピアプレッシャーとは、直訳すれば同僚(peer)からの圧力(pressure)という意味です。一般には「同調圧力」と訳され、職場などの集団内でお互いに秩序を保とうという機運のもとで醸成される同化作用を指します。 同調圧力は仲間との相互監視によって生み出され、適度な緊張感や連帯感としてはたらけば、組織全体の業績アップやチームワークの強化といったポジティブな効果をもたらします。逆にピアプレッシャーが不足すれば、集団としてのパフォーマンスが十分に発揮されません。他方で、過度なプレッシャーはストレスとなり、職場の環境を悪化させるおそれもあります。

ピアプレッシャーの種類

ピアプレッシャーとは、具体的にはどんなものを指すのでしょうか。具体的な例を交えて解説します。

同調圧力としてのピアプレッシャー

典型的なピアプレッシャーとして挙げられるのが、行動や意見をチーム内でそろえなければならないように感じる心理的な同調圧力です。相互監視により、社員同士がお互いに同じくらい仕事を頑張らなければならないという雰囲気が生み出されます。 とくに日本においては、残業がなくならない要因のひとつとして、ピアプレッシャーが大きく影響していると言われています。すなわち、周囲の同僚が帰らないから自分もなかなか退社しづらいという同調圧力が現場を支配することによって、無駄な残業が増えるという結果につながるのです。

有給休暇や育児休暇の取得が浸透しない原因も、同調圧力に求めることができます。「自分だけが休むのはなんとなく申しわけない」と感じさせ、さらにはほかの誰かが自己都合で休むことのないようお互いに監視し合うような職場には、同調圧力としてのピアプレッシャーが強力にはらたいていると言えるでしょう。過剰な同調圧力は社員のストレス増大や職場環境の悪化だけでなく、生産性や効率の低下にもつながります。

助け合いとしてのピアプレッシャー

ピアプレッシャーには相互監視だけでなく、相互配慮という側面もあります。お互いに助け合ったり励まし合ったりすることで、チーム内の絆や連帯感の強化が図れるのです。適度なピアプレッシャーはよい意味での緊張感となり、社員同士が切磋琢磨し合える環境を育みます。相互に監視するのではなく、補完する関係性を構築することで、社員一人ひとりの長所を伸ばし、ミスや短所があればうまく補っていける柔軟な組織へと昇華できます。

相互配慮としてのピアプレッシャーが支配的な職場では、相互監視の場合とは逆に不要な残業は減り、有給や育休の取得もしやすくなるでしょう。自身が抜けた穴をほかのメンバーが埋めてくれて、誰かが休んだときはその穴を自身が埋めるという相互理解が十分に進んでいれば、効率的で余裕のある職場環境の創出につながります。

ピアプレッシャーのメリット

適度にはたらいていれば、ピアプレッシャーには多くのメリットがあります。なかでも最も好ましい影響として挙げられるのが、チーム内に協調性や信頼関係が築かれることです。お互いに認め合い、助け合い、そして競い合うという建設的かつ親和的な職場環境が整えられることで、仕事への満足感も向上するでしょう。 ほどよい緊張感と競争意識は、個々人のやる気や個性を引き出すことにも寄与します。組織で一丸となって目標達成に邁進できる一方、社員一人ひとりが自身の長所に気づき、それを伸ばしていけるという効果も期待されます。

企業側から見れば、仕事に対するモチベーションを会社全体で維持できるのが大きな利点です。適度なピアプレッシャーによって個人レベルでは職務意識の向上につながり、組織レベルでは協調性と正常な競争の双方を生み出せる、理想的な環境と言えるでしょう。

ピアプレッシャーのデメリット

ピアプレッシャーのデメリットは、圧力が過度にはたらいている場合、あるいは逆に不足している場合に顕在化します。圧力過剰と不足のそれぞれについてデメリットを解説します。

強すぎるピアプレッシャーは、前述のとおりストレスのもとです。相互に監視し、チェックし合う職場環境では、信頼関係による一体感の形成は困難です。結果として、ミスを恐れて隠すようになり、生産性は大きく低下します。自分自身の意見を前面に出したり、新しい業務や企画にチャレンジすることがためらわれたりする結果にもつながります。

次に、ピアプレッシャー不足がもたらすデメリットとしては、緊張感の欠如が挙げられるでしょう。相互の監視の眼も助け合いの気持ちもはたらかないことで、「なあなあ」な職場となってしまいます。ミスが発生したり、目標に届かなかったりしたときでも「なんとなく」で片づけてしまう雰囲気が醸成され、将来の成果まで犠牲になりかねません。

まとめ

ピアプレッシャーは、適切にはたらいていれば生産性や効率性の向上に大いに役立ちます。他方で、過度なプレッシャーは職場環境の劣悪化につながり、不足すればただの「仲良しクラブ」となって、やはり組織のパフォーマンスを損ねます。魅力的な職場環境を築くには、チーム内の同調圧力や相互配慮を上手にコントロールすることが重要です。

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