アクションラーニングとは?効果や研修方法をご紹介

こんにちは。Shopらんチームの上野谷です。アクションラーニングは現実の課題をチームで解決しようとする新たなラーニング手法であり、組織開発や人材育成手法として注目されています。本記事では、アクションラーニングの概要やその効果、また、具体的な進め方について詳しく解説していきます。

アクションラーニングとは

アクションラーニングとは、参加者がグループを作って、組織における現実の問題に対処し、解決策を立案・実施していくことで個人や組織の「学習する力」を向上させる学習法です。
過去の事例や架空の事例を対象とする従来のケーススタディとは異なり、現在進行形で企業が直面する現実の問題を扱うアクションラーニングには、あらかじめ用意された模範回答はありません。参加者はそれぞれ協力して手探りで問題の解決に努めなければならないため、組織運営のリアルに即した現実的な対応力を訓練することが可能です。

アクションラーニングの効果

アクションラーニングを行うことは個人と組織の双方にとって様々な効用があります。以下ではその代表的な例を紹介します。

コミュニケーションの活発化

アクションラーニングにおいては、課題に対してチームで解決を図るアプローチを行います。そのため、この学習過程においては、解決すべき問題の共有から、最終的なリフレクション(振り返りの反省)に至るまで、随所で他者とのコミュニケーションが発生します。このようにチーム内で議論を深めることを通して、参加者は他者との共同作業における適切なコミュニケーション方法を学ぶことが可能です。

人材育成の促進

アクションラーニングは、企業において有用な「課題解決型人材」を育成しやすいプログラムです。課題解決型人材には、決まりきった定型的な作業を正確にこなす能力とは、まったく別種の資質が要求されます。そもそもの課題発見から問題解決の方法の考案と試行などを経験できるアクションラーニングは、課題解決能力の開発に適した訓練方法です。
また、訓練中のコミュニケーションを通して、実際の職場でのコミュニケーション能力の強化が期待できます。課題解決能力もコミュニケーション能力も、組織におけるリーダーにとって最重要の資質といえるでしょう。将来の幹部候補生、リーダー人材を育てるためにアクションラーニングは最適です。

組織力強化

アクションラーニングの訓練課程は、現実の組織運営や、組織の課題解決のプロセスと合致します。アクションラーニングの参加者達は、組織がどのようなプロセスを経て課題に取り組んでいけばよいのか、その方法論を共有できます。課題解決方法の共有は、組織づくりの根幹といってもいいでしょう。
このような訓練を通して、企業は新しくプロジェクトチームを作る際にも、迅速にレベルの高いチームを編成できるようになります。つまり、アクションラーニングは個人の能力のみならず、企業の総合的な組織力を強化することに寄与するのです。

アクションラーニングの進め方

アクションラーニングはどのように進めるのでしょうか。以下では順を追って、その進め方を具体的に解説します。

問題に対する認識共有

アクションラーニングで取り組む課題は、あらかじめ整理された過去の事例や架空の設定(ケーススタディ)ではなく、実際に目の前にある問題です。参加者は、自分達が取り組むべき問題がどのようなものなのか、まずはそれを認識することから始めます。ここでは参加者間の対話が特に重んじられ、参加者達はそれぞれの疑問や悩みを投げかけ合うことで、問題を顕在化させ、チーム内で共有していきます。

目標の設定

チームが取り組むべき課題が浮き彫りになり、チーム内で十分に共有されたら、次は目標の設定を行います。ここでは、「課題の解決」というチーム全体で目指すべき目標とは別に、参加者それぞれが達成すべき目標も設定するようにしましょう。つまり、参加者それぞれが「小目標」を達成することで、最終的にチーム全体の「大目標(問題解決)」が達成できるように、参加者それぞれに必要なタスクを割り振っていくのです。

アクションを実行

参加者それぞれに目標を設定したら、実際のアクションに移行します。アクションラーニングにおいては、2週間程度の間隔で定期的に話し合いの場を設けることが推奨されます。これは実際の業務において「報連相」が重視されるのと同様です。参加者が互いに各人の仕事の進捗状況と成果を確かめ合うことは、作業が停滞するリスクを減らし、より効果的な問題解決の方法を見つけることにも繋がります。

リフレクション

リフレクションとは、実行で得られた成果や進捗状況をチームで共有し、分析と検証を行う段階です。これによって新たな問題が浮かび上がることもあるため、それを新たな課題として設定し、解決方法を探していきます。アクションラーニングにおいては、「課題発見→アクション→リフレクション→課題発見…」という循環を通して、組織が持続的且つ有機的に成長していくことを目指しているのです。

まとめ

本記事ではアクションラーニングについて、その基本的概要や様々な効果、そして具体的な進め方について解説しました。アクションラーニングは、現実の組織運営の仕方にかなり忠実な実践的訓練です。変化の激しい現代においては、時代の流れに置いて行かれないように、自ら率先して課題を発見し、解決していく能力が求められます。新しい時代をリードしていく組織・人材を育成するために、学習方法としてアクションラーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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