みんな納得、理解しやすい手順書の書き方を学んで生産性アップ

こんにちは。Shopらんチームの上野谷です。業務におけるマニュアルと手順書は、似ているようですが異なるものです。
両者の違いを正しく理解していないと、現場の作業に混乱が生じることもあります。この記事では、生産性の向上や業務の効率化に役立つ手順書の作成方法を解説していきます。

マニュアルと手順書の違い

マニュアルと手順書の基本的な違いは、その具体性にあります。マニュアルとは、一連の業務全体についての流れや注意事項を記載したもの。それに対し手順書は、作業手順書や作業標準書とも呼ばれることからわかるとおり、ひとつひとつの作業を個別具体的に説明した資料です。
例として「洗濯をする」という家事を業務と考えると、「洗濯物を洗濯機に入れる」→「洗濯機を作動させる」→「洗濯物を干す」→「洗濯物を取り込む」→「洗濯物をたたむ」といった流れが想起されます。このなかの「洗濯機を作動させる」という業務を取り出すと、さらに「洗剤を入れる」「柔軟剤を入れる」「フタを閉じる」「スイッチを入れる」といったいくつかの細かい工程に分けられます。この前者の流れをまとめたものがマニュアルで、後者の具体的な単位作業を列記したものが手順書です。

単位作業を明記することは、業務クオリティの均一化にも寄与します。作業の手順をあらかじめ決めておくことにより、個々の作業者のスキルや考え方の違いによる業務の成果や、時間のズレを抑えることができるでしょう。
業務の流れ全体を扱うマニュアルに対し、個別の作業ごとにまとめられたわかりやすい手順書には、必要なときに必要な情報を手早く参照できるメリットもあり、作業手順を広く浸透させるのにたいへん便利です。

手順書作成のポイント

上述のとおり、マニュアルと手順書には違いがあるため、作成にあたって押さえておくべきポイントも異なります。ここでは、手順書を作成するにあたって留意すべき点について解説します。

考え方と動作を分ける

手順書作成においてまずやってしまいがちなのが、業務に対する抽象的な考え方を記載してしまうことです。考え方とは、言い換えるならスタンスや心構えであり、それは手順書ではなくマニュアルが担う役割です。手順書に求められる内容は、そうした主観的な概念ではなく、具体的な動作であるという点を忘れてはいけません。
たとえば、接客という業務を考えたとき、「相手に失礼のない態度を心がける」ことがとても大切です。ただし、「相手に失礼のない態度」がどのようなものであるかは、人によって捉え方が異なります。手順書としてまとめる際はより具体的に、「笑顔でお出迎えする」「挨拶の際に自分の氏名と所属を告げる」「お見送りのときは相手が見えなくなるまで頭を下げる」など、客観的な行動について記載する必要があります。

業務経験のない人でも作業できる分かりやすさ

手順書を作成する目的のひとつは、スキルにかかわらず均一な成果が得られるよう業務を標準化することです。したがって、誰が読んでも同じ動作に行き着くことが重要です。そのためには、たとえ初めてその業務に携わる人でも分かりやすく、誤解の生じる余地の少ない書き方を意識しなければなりません。
具体的には、専門用語などはできるだけ避け、平易な言葉遣いを用いるようにしましょう。また、1文中に多くの情報を詰め込まないようにし、動作ごとに端的にまとめるのも、分かりやすい手順書を作成するコツです。

手順書をアップデートしていく

できあがった手順書がうまく機能するかどうかは、実際に運用してみなければ分かりません。机上で作成した時点では完全に見えても、いざ現場に持ち込んでみると噛み合わない部分が生じたり、余分な箇所や足りない動作が浮かび上がったりするものです。
そうした改善点を機敏に吸い上げ、随時アップデートをしていくことで、さらに分かりやすく効率的な手順書が出来上がるでしょう。手順書は、一度作成したらそれで終わりということにはなりません。

具体的な手順書作成の手順

手順書には、これといって決まった書式やテンプレートなどはありません。

まずは、対象となる業務をできるだけ細かい作業単位に分解しましょう。その際、ただ細分化して羅列するだけでは、あとでそれぞれの単位作業がどの業務に属するのか分からなくなるおそれがあります。書き出すときは、樹形図のように作業同士の関係が見分けやすいような工夫をするとよいでしょう。

次に、抽出した単位作業が具体的な動作となっているか、ひとつひとつ確認します。作業者によって解釈に幅が生じるような作業があれば、構成をさらに細分化するか、具体的な表現に改めましょう。手順書においては、作業がより細かく丁寧に分けられている方が親切といえます。

あとは、分解した手順を順序どおり並べれば完成です。できあがった手順書は、Excel(エクセル)やword(ワード)をプリントした紙面で配布するだけでなく、電子データとしてファイル管理するとより便利です。

店舗運営向けクラウドサービス、Shopらんにはそのように資料を格納する機能も存在します。
またIT化の進む昨今では、動画を活用した手順書も有効です。とくにスマホで確認する場合は、スクロールの手間がかからない動画の方が便利でしょう。Shopらんには、店舗やスタッフへ動画コンテンツをサポートするサービスもあるので、動画の活用を検討されている方はぜひ導入してみてはいかがでしょうか。

まとめ

完成度の高い手順書があれば、人員を増やしたり異動があったりした場合でも、ミスや作業の漏れを防げます。手順書の質を高めるには、運用後の定期的なアップデートが欠かせません。洗練された手順書があれば、事業を拡大するようなときにも、素早いスタートを切ることができるでしょう。

お気軽にご相談ください

製品デモやユーザー事例などの詳しいご紹介など、ご対応可能です