こんにちは。Shopらんチームの上野谷です。ここ数年、動画研修を導入する企業が増えてきています。 この記事では、動画研修によるメリットやデメリット、さらには効果的な動画作成方法や作成する際のテクニックについて解説します。次の新人研修に動画を取り入れようと考えている企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
動画研修にはどんなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
まず研修を受ける側にとって、研修内容を動画で繰り返し視聴できるというメリットがあります。対面形式の研修の場合、講義を聴くチャンスは一度しかなく、重要なポイントを聞き逃してしまう可能性もあるでしょう。その点、動画研修ならば自分がわかりにくかった点を何度も見直して復習できます。 さらに、自分自身の理解度やペースに応じて学習を進められます。既に知っている部分は倍速などでさらっと学習し、難しい部分は繰り返し見ることで、内容を頭に入れやすくなり、理解も深まるでしょう。
次動画研修は、職場で直接教えるOJTや会議室を利用して開催する対面研修とは異なり、場所や時間に関係なく学習できます。たとえ勤務地が地方や海外であっても好きなタイミングでリモート受講が可能です。
また研修のために全員のスケジュールを合わせなくてよいのも効率的です。各自が隙間時間に受講できるため、場所や時間に左右されず受講率も高くなると予想できます。
アメリカ国立訓練研究所が提唱した「ラーニングピラミッド」によると、映像による学習は講義よりも定着率が高いという報告があります。講義学習の定着率はたった5%という数字に比べ、視聴覚学習は20%と、なんと4倍もの差があります。
文字を使った学習の定着率は10%で、それと比較してもその差は2倍です。つまり、紙面や講義による研修よりも動画を活用した方が、記憶に残りやすいといえるのです。
メリットの多い動画研修ですが、デメリットもあります。続いてはそちらをご紹介します。
動画は従来の紙ベースの資料と比較して、作成が難しいことが挙げられます。従来の研修で使われていた資料は、PowerPointやWordで作成されるのが一般的でした。社内に動画作成ツールに慣れた人材がいない場合、学習しやすい動画を作成できるまで時間がかかる可能性もあります。
ようやく動画が完成したとしても、常に最新の情報に更新をするための編集に手間がかかることも考えられます。そのため、作成だけでなく運用方法もしっかり事前に計画してから作成を開始するとよいでしょう。
もう1つ、社員同士のコミュニケーションが少なくなるというデメリットがあります。これまでは対面形式の研修を通じて先輩や同僚と議論を交わすことで、人間関係を構築してきました。しかし、動画研修では他人と関わる機会が失われてしまいます。 その部分を補うために、研修内容に関する感想や各自意見を言い合う場所を作るようにしましょう。チャットツールを導入して同僚や先輩と意見を交換したり、アンケートを配布し率直な感想を吸い上げたりといったことを実践するとよいでしょう。
研修生同士や先輩、講師と人事部など双方のコミュニケーションがきちんと取れるような、研修プログラムを意識的に作成するようにしてみてください。
動画研修は、業務内容がパターン化されている際に効果を発揮します。例えば、自社で提供する商品やサービス、事務作業、営業マニュアルの学習には動画研修が有効です。動画には効果音も入れられるので、重要なポイントにはぜひ活用してみてください。滅多に大きな変更のない内容であれば一度動画を作成してしまえば後々スムーズに教育できるでしょう。
一方パターン化が難しい業務に関しては、動画研修は不向きといえるでしょう。接客や名刺交換などロールプレイングが必要な内容や、チームでの協力が必要なワークショップは違った形式での実施をおすすめします。
動画作成プロセスには、まず企画からスタートし絵コンテと脚本を作成します。そのあとに撮影や編集、圧縮といった一連の作業をおこないます。作成前にきちんとプロセスを確認し、チーム内で作成フローを共有して効率的に作るようにしましょう。
撮影に適した絵コンテや脚本を意識的に作れば、当日の作業がスムーズに運びます。撮影が終わった後におこなう編集作業では、余分な部分をカットしたり、文字や画像、効果音を挿入したりします。そこで問題がなければ動画を圧縮して完成です。
最近では本格的な制作ソフトだけでなく、スマホアプリや無料の動画作成ツールで初心者でも簡単に作れるようになりました。内容が伝わりやすい動画作成を心がけ、計画的に実施しましょう。
内容が相手に伝わりやすい動画を作成するには、まず目的を明確にします。誰にどんな訴求がしたいかをしっかりと決め、そこから離脱しないよう注意しましょう。また、内容の抜け漏れがないような編集を心がけましょう。
クオリティの高い動画を制作したい場合は、専門の会社へ依頼するのも一つの手です。ただし、費用がかかるため予算が足りているかどうかも確認しなければなりません。
まとめ
動画研修は講義スタイルの研修と違って、映像や音楽を使って見る側に訴えかけるため、記憶の定着率が向上するともいわれています。操作しやすいツールで、わかりやすい内容の動画作成を心がければ、社員が業務を実施するうえでの大きな助けになるでしょう。近年定着してきた動画研修を通じて、新しい学習環境の構築を目指してみてください。