ニューリテール(新小売)とは!?
アリババグループの考える概念

プロモーショングループ 楊

はじめまして、今回の「#海外のお店レポ」を担当するプロモーショングループの楊です。これから、中国の小売業界について、おもしろい情報を発信していきます。どうぞご期待ください!

#海外のお店レポ」シリーズ、今回のテーマは「ニューリテール」です。

最近、リアル店舗でもデジタル活用やDXなどに取り組みをされる企業も増えていますが、そのなかでも特に注目を集める企業であるアリババグループの取り組みです。

2016年、アリババグループは「ニューリテール(新小売)」という概念を提唱しました。「ニューリテール」とは、小売業のDXを実現し、オンラインとオフラインを融合させた(OMO:Online Merges with Offline)新しい消費体験を提供することです。ニューリテールの代表事例となるのはアリババが運営している生鮮スーパー「盒馬鮮生(以降フーマー)」です。

「フーマー」とは?

「フーマー」は「ニューリテール」という概念のもとで誕生したOMO型生鮮スーパーです。2020年3月まで、中国では200店舗以上を展開し、人気を集めています。
一見、通常のスーパーと同じように見えますが(図1)、「フーマー」は通常のスーパーでの店頭販売に加え、オンラインショッピング、食材の調理加工、配送などもおこないます。顧客にかつてない新しい購買体験を提供しているとも言えます。

店舗内観

図1:店舗内観 
出典 搜狐(Sohu):盒馬鮮生是什麽樣的電商平台?

「フーマー」って何が新しい?

オンラインとオフラインの融合

「フーマー」は①ネットショップ、②スーパーマーケット、③イートイン、④配送サービスの4要素を融合させました。顧客の利用シーンも従来のスーパーマーケットとだいぶ異なっています。
一番よく利用されるのはオンライン注文です。「フーマー」の会員アプリで簡単に注文できます。特筆すべきはオンラインとオフラインの情報が完全に同期していることです。それはリアル店舗に並ぶ商品とアプリ上に表示される商品は完全に一致しているということです。リアル店舗より商品の値段が高いとか、賞味期限が早いとかを心配する必要がありません。
それでも、やはり自分で食材の鮮度を確認して購入したいという方も多いと思います。「フーマー」は電子棚札システムを導入しており、そこに表示されているQRコードをアプリで読み取ることで、店舗にいながらにしてECで購入し、自宅に届けてもらうことも可能です。オンラインとオフラインの区別がなく、顧客は自分にとって一番便利な買い物方法を選択できます。

「30分配達」を実現する配送システム

「フーマー」の「30分配達」という仕組みは好評を博しています。店舗から3km圏内であれば無料で30分以内に届けます。短時間の配送を可能にしているのは独自の配送システムです。注文が入ると10分以内に商品を集め、倉庫に送って梱包します。残りの20分以内に商品を配達します。
図2のように、商品がそろい次第専用のリフトに載せ、店内の天井に設置されたレールで、バックヤードの配送エリアまで運びます。天井に配送レールを設置するのは、ほかのスーパーでなかなか見られない風景ですね(笑)。

配送レール

図2:配送レール 
出典 中新網(Chinesenews)

コロナ禍でスーパーマーケットも激変?

ユーザー数推移

図3:ネットスーパーのユーザー数推移 
出典 マナスナ:コロナ影響でネットスーパー4サイトのユーザーが急上昇

私も、最近初めてネットスーパーを利用してみました。午前中に注文すれば、午後に商品が届きます。非対面の受け取りサービスもあり、現在のソーシャルディスタンスなどが気になる時期に安全かつ便利に買い物できるのはすごくありがたいです。
このようなオンラインとオフラインの融合は顧客に便利な生活体験をもたらすことができます。お店を利用する顧客が感じる「便利さ」というのは、必ずしもオンラインサービスを利用すれば良いというわけではなく、自分の生活スタイルに合った選択をできるのが本当の「便利さ」なのだろうなと考えています。

参考
阿里巴巴集團(Alibaba Group):業務範疇之盒馬鮮生
聯商網(Linkshop): 疫情發生後,盒馬鮮生網上訂單量同比激增220%
海商(Hishop):阿里巴巴新零售是什麽
搜狐(Sohu):同樣是新零售模式,盒馬鮮生為什麽火?
蔬東坡(Shudongpo):盒馬鮮生,全球首家24小時配送30分鍾送達的生鮮平台!

次回の「#海外のお店レポ」も面白そうな情報をお届けします。
ぜひチェックしてみてくださいね!(^^♪

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