ファッションとサステナビリティの両立
アパレル業界の未来は

プロモーショングループ 楊

こんにちは!プロモーショングループの楊です。

#海外のお店レポ」シリーズ、今回のテーマは「サステナビリティ」です。

近年、「サステナビリティ(持続可能性)」が話題になっています。特に地球の自然環境に配慮した行動を表現する際によく聞くようになった言葉です。最近、コンビニやスーパーではレジ袋が有料化になるのも「サステナビリティ」の一例だと思います。
過去の「#海外のお店レポ」でも、ブランドと環境保全などのテーマでサステナビリティを触れましたが、今回はアパレル業界における取り組みについてお話しします。ぜひご覧ください。

アパレル業界におけるサステナビリティ

サステナビリティとは「持続可能性」であり、自然環境や人間社会などが長期にわたって機能やシステムを失わずに、良好な状態を維持させようとする考え方を指します。

地球汚染に影響を与えている業界は、実はアパレル業界が大きいとも言われています。
まず、衣類の年間消費量は年々増えていて、それに合わせて一人当たりの洋服の廃棄量も増えています。現在、日本における衣類廃棄量は、年間約100万トン(※)にもなっています。枚数に換算すると、なんと33億着です(※独立行政法人 中小企業基盤整備機構調べ)。廃棄された衣類品の半分以上は焼却されるので、二酸化炭素を排出し、地球温暖化の原因にもなります。
また、アパレル業界は大量の水資源を消費しています。産業国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、アパレル業界は毎年、930億立方メートルという、500万人のニーズを満たすのに十分な水を使用しています。世界で2番目に水を多く消費する産業とみられています。

アパレル企業の生き残りにサステナビリティが必要な理由」という記事では、All Nationsや鎌倉シャツなどのブランドの動きを紹介しました。サステナビリティに対する意識の高まりを受けて、各ファッションブランドも動き始めました。

A Material Utopia Exhibition

中国のアパレル業界もサステナビリティの重要性を認識しています。
2020年、上海ファッションウィークでは、「A Material Utopia Exhibition」というサステナブル関連の展覧会をおこないました。個人的に「Material Utopia」という名前が印象に残りやすくて大好きです。服の素材から環境を配慮して、将来的に環境にやさしいユートピアになるかもしれませんね。

展覧会では環境配慮素材を製品サンプルとともに出展しました。デュポン、レンチングなどのグローバル企業だけではなく、中国の繊維メーカーも複数出展しました。企業・消費者のエシカル意識の高まりにともない、オーガニックコットンなどの素材を使用する服装は将来のトレンドになるかもしれません。

A Material Utopia Exhibition

出典:Tencent

ファストファッションをもっと「スロー」に

今までは、「ファストファッション」、つまり低価格帯のトレンドのファッションを取り入れ、短い期間で楽しむといった傾向があります。特に若者たちにとっては、手頃な価格でオシャレな服を買えるのはありがたいですよね。

しかし、その一方で環境問題の深刻化やコロナの影響で、ファストファッションのスローダウンも進んでいます。ここ最近、エシカルファッションブランドがどんどん増えてきます。

sustainability

出典:SetMeFree Blog

「klee klee」という中国のブランドはその代表の1つです。ブランド名の「klee klee」は、チベット語で「スローダウン」という意味です。生活のスピード感が速くなっているなか、「スローダウン」の意識は不可欠だと考えています。
2010年、「klee klee」はオーガニックコットンTシャツからはじまり、現在は環境に配慮した素材や染色技術、リサイクルボタンやエシカルな包装を使用しています。素材から包装まで環境にかかる負担を最小限に抑える環境配慮型ブランドです。

日本のアパレル業界においても、サステナビリティが進んでいます。
「スナイデル(SNIDEL)」は2019年8月に、サステナブルの取り組みを強化するプロジェクト「SNIDEL FOR SUSTAINABILITY」を発表しました。このプロジェクトは主に2つに分けられます。

①オーガニック素材を使ったブランド「ORGANICS SNIDEL」
オーガニクススナイデル(ORGANICS SNIDEL)は、オーガニックコットンやウールといった高品質なファブリックを使用しています。スナイデルの女性らしさとクリエイティブなデザインは活かしつつ、サステナビリティ志向を大切にしたインラインブランドです。サステナブルへの感度が高い人向けに、上質なオーガニクスクローズを提供します。

②サステナブルな店舗デザインプロジェクト
また、スナイデルは店舗デザインにもサステナブルな意識が高いです。新たな店舗デザインでは、エコ・リサイクル素材が全体の80%以上を占めています。
「使用済みの蛍光灯やプラウン管の廃材を職⼈の技で蘇らせ、現代に昇華させた素材を、店内の⾯材や什器にふんだんに使⽤した。床・壁・天井にはリサイクル素材を使用。その中にオニキスや天然の無垢板などを調和させ、⾃然が持つ神秘的な⽣命⼒や温かさを感じられる」と、スナイデルの近藤社長が語りました。

まとめ

企業は経済的価値を創造するだけではなく、社会的責任も担わなければなりません。アパレル業界におけるサステナビリティは、積極的に取り組むべきだと考えられます。アパレル業界と環境問題は深く関係していますから、ファッションとサステナビリティの両立はアパレル業界の未来の道ではないかと思っています。

個人的には自分たちの地球を守っていくという意識を持ち、サステナビリティを取り入れていくことも重要です。たとえば、ユニクロやGUなどのブランドはリサイクルボックスを設置しています。各自治体も古着の回収をおこなっています。一人一人の小さな動きも大きな効果をもたらします。不要な服などがあればリサイクルか寄付をして衣類廃棄を無くしていきしょう。

サステナビリティ活動は将来にわたってこの社会と地球環境に影響しつづけます。企業のサステナビリティへの取り組みは小売業だけではなく、すべての業界において重要なこととなるでしょう。

参考
Sohu:GREEN FASHION SALON 共話材料烏托邦
Tencent:上海時装周“材料烏托邦”展覽開幕,環保科技引熱議
Fashionsnap:「スナイデル」がサステナブルな店舗デザインプロジェクト始動、80%以上がエコ・リサイクル素材に
WWD JAPAN:ルミネで初日1875万円を販売した「スナイデル」の店舗を徹底解剖

次回の「#海外のお店レポ」も面白そうな情報をお届けします。
ぜひチェックしてみてくださいね!(^^♪

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