チェーンストアの“店舗力”を高めるーPOS情報の見方 後編ー

こんにちは、高橋です。

今シリーズは「チェーンストアの“店舗力”を高める」をテーマとして、店舗を取り巻くさまざまな「情報」について考えています。
前回は「内部(社内)」情報として、発注や品揃えの改善にもつながり、廃棄と機会損失という2つのロスの削減にも結びつく、「POS情報」における「時間」「商品」「組織」という3つの軸の見方をご説明しました。今回はこの3つの軸をまたいだ情報の見方に触れていきたいと思います。

比較する

たとえば、ある商品が1日で100個売れたとしても、その実績だけでは良し悪しを判断できません。売上や販売実績の良し悪しを判断する場合は、なにか別の要素や項目との比較が材料となります。

前回、組織軸の例で挙げた「東京都の売上が良くない」というのは、東京都の売上前年比が全店やほかの地区と比べて低いという、【当年 vs 前年実績】+【東京 vs 全店/神奈川/埼玉】の比較をした見方です。また、「100個売れた」も、前日の60個に対してなのか、他店舗の40個と比べてなのかで評価は異なります。

比較をする際は、このように“物差し”を揃えて対比することがポイントになります。
上記に挙げた【当年 vs 前年実績】のように同じ時間軸で、商品や組織の実績を対比したり、【東京 vs 全店】のように同じ組織軸のなかでの商品の販売実績を比較する、という見方などが考えられます。
また、実績同士だけでなく、事前に売上予算や販売計画が立てられている場合の「予算比」や「計画比」も、対比して判断するという考え方は同じです。

1項目(販売数)だけで見ない

ある商品が1日に10個売れたとしても、ほかの項目との兼ね合いによって判断はまったく違うものになります。
たとえば下記のように、販売実績を店頭在庫数(前日末残数+当日納品数)との関係で見ていかないと、次に取るべきアクションが異なってきます。そのアクションが売上/利益や廃棄/機会損失に影響を与えるので、店舗在庫の動きを可視化することが重要です。

例)販売数だけでなく、営業開始時の店頭在庫数との関係を見て判断する必要があります。

  1. 店頭在庫20個-販売10個=残数10個(在庫)
  2. 店頭在庫10個-販売10個=残数0個(欠品)

生鮮品でいえば、①のように営業終了時に「在庫(売れ残り)」が多ければ、発注数は“減らす”べきでしょう。逆に、在庫分がすべて売り切れて「欠品(機会損失)」が発生している②の場合、発注数は“増やす”べきです。このように、店頭在庫の状況によって次にとるべきアクションが異なり、適切な手を打てるかどうかが売上/利益にも影響を及ぼします。

「売れ残り」や「廃棄」は、商品が現物として残っているので簡単に確認できますが、【売り切れ=欠品】となると、実際には商品(在庫)は存在しないので可視化し把握することが難しくなります。
最近では、売場画像から欠品を認識するソリューションもでてきています。リアルタイムでPOSデータを集計するシステムもあるので、店頭在庫がゼロ=欠品となった時刻を記録し、下図のように営業時間内の「欠品時間比率」算出により、“欠品の見える化”を図るのもひとつの方法です。
※蛇足ですが、リアルタイムで店頭在庫を把握するには、レジでの正確な商品読み取りはもちろん、返品や廃棄、店舗間移動など、在庫変動に関わる処理も即時実施する必要があります。

売れ残りがある場合
欠品時間比率_売れ残りがある場合
  • 営業開始時在庫:20個
  • 当日販売数:16個
  • 営業終了時在庫:4個 =売れ残り

⇒ 販売期限が当日の生鮮品であれば、4個廃棄

欠品した場合
欠品時間比率_欠品した場合
  • 営業開始時在庫:20個
  • 当日販売数:20個
  • 営業終了時在庫:0個 =売り切れ
  • 欠品時刻:17時前
  • 欠品時間:3時間(17-20時)

⇒ 欠品時間比率:30%(欠品3時間/営業10時間)

※実際にはもっと複雑ですが、「欠品時間比率」を説明するために単純化しています。

前回も述べたとおり、POSデータは商品が「売れた」という事実の確認でしかありません。
「時系列」や「大⇔小」の関係でみたり、他の項目と併せて「比較」したり、切り口を変えて確認し、発注や品揃えに活かすことが重要です。次回は、POS情報とほかの情報を組み合わせて考える見方をご説明します。

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