チェーンストアの“店舗力”を高めるーPOS情報と顧客情報ー

こんにちは、高橋です。

今シリーズは、「チェーンストアの“店舗力”を高める」をテーマにしており、前回はPOS情報と天気について話を進めました。店舗の売上UPには「客層にあった商品の品揃え」の実現がポイントだとよく言われますが、今回は客層データについて考えてみたいと思います。

顧客情報との組み合わせ

実は「客層を考える」の回で「客層」には一度触れています。そのときは、客層情報の活用が単純にはいかないことについてご説明しました。
1980年代にPOSレジに客層ボタンを設定し、取得したデータを活かしてきたコンビニでも、今では客層ボタンを廃止して、提示されたポイントカードなどの会員属性から客層情報を取得するチェーンもあります。また、お客さまの画像から性別や年代を判断するソリューションも出てきています。
しかし、これらもレジで押した客層(購入者=支払者)と、実際の使用者(消費者)が異なる場合もあるという本質的課題の解決にはつながりません。同じ性別や年代でも生活の場や立ち位置はさまざまで、お客さま自身の価値観や環境、シチュエーションによって利用する店舗や買い方を使い分けています。

最近のIT進化は凄まじく、売場でいえば商品には電子タグ(RFID)、陳列棚には電子荷札、天井にカメラやセンサーを設置することで、お客さまの店内での動きも把握できるようになりました。
また、GPS/Wi-Fi/ビーコンなどから位置情報を取得/追跡することで、お客さまの生活範囲や行動が捕捉できます。スマホには販促クーポンが配信されるどころか、カメラで商品の画像やバーコードを読み取り買物額を計算し、そのままレジに行きキャッシュレスで精算。電子レシートから家計簿がつくれるスマホアプリなどもあり、お客さまの買い物に関する情報は激変しています。

取得可能な顧客情報の変化

つまり、これからは上図のように購買行動が把握でき、お客さまの利用する店舗や買い方がデータから視える時代になりつつあるということです。
とはいえ、POS情報は商品が売れたという事実の単なる記録であり、購買行動データ自体もお客さまの過去の行動実績に過ぎません。そこからお客さまの「次」を考え、購買行動を推測して、店舗の発注や品揃えを考えることは、やはり簡単ではないと思います。

前回の「POS情報と周辺情報」のなかで天気に関わる客さまの心理にも触れましたが、大切なのは自分自身が消費者の立場に立ち、その人の気持ちになって、販売実績の背景や理由を推測したり、来店されたお客さまとの会話:コミュニケーションからヒントを得たりしながら、仮説をもって自店の発注や品揃えに反映させるサイクルを確立することでしょう。

最後に

このコラムシリーズでは、「チェーンストアの“店舗力”を高める」をテーマに、情報について考えてきました。
Amazonを筆頭に拡大を続けるネット販売や業態を超えた競合にさらされている小売業、人手不足という背景もあってコスト増加に苦しむ外食業(小売業もですが)など、チェーンストアにとって本当に厳しい環境/時代となっています。そこで店舗運営の効率性を向上し、売上/利益の最大化を図るためのひとつの方法は「商売を科学する」ことだと思います。

最近では紙面に「IoT/ビッグデータ」や「AI」という言葉が載らない日はありません。
データ通信においても、超高速/超低遅延/多数同時接続の「5G」が2020年には普及し、まさに「IoT: Internet of Things(モノのインターネット)」時代を迎えます。

今回触れた「POSデータ」×「その他の情報」も、「天気/気温」の情報とお客さまの属性や購買行動など、各情報を組み合わせるとデータ量は劇的に増え、まさに「ビッグデータ」となります。しかし、人手不足で「店をなんとか回すことで精一杯」「データを見る人材も時間も取れない」というのが現在のチェーンストアの実態かもしれません。
増え続けるさまざまなデータから、「AI」が店舗の発注や品揃えに活かすべき情報を導き出し店舗の運営を支援することが、「商売を科学する」の将来像となるのでしょう。

あるチェーンストアでは今、「ビッグデータ」×「AI」で自動発注のテストを進めているようです。データが蓄積されAIの学習が進むにつれ、徐々に精度も上がっていくはず。ITがさらに進歩すればコストも下がります。チェーンストアの店舗運営改善のため、これからもIT動向に大注目です。

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